高野山 2006/11/3〜4



以前JTBのサイトで、「ひとりでも泊まれる和風旅館」というのを
ヒマつぶしに探していたら高野山の宿坊が紹介されていて、
それがきっかけで急に高野山へ行きたい気持ちになったのであります。

高野山へは電車・ケーブル・バスを乗り継いで2時間以上かかって到着。
行楽シーズンとあってか、ギョッとするような大勢の人出でした。
やはりここに訪れる旅行者だけあって年齢層もかなり高めだったのですが、
お年寄りのあのパワーには負けますわ(笑)。
(特に乗り物に乗り込む時の席取り合戦は凄まじいものがある)

そんなこんなでヘトヘトになって辿り着いた我々ですが、
現地に着いてみると人の流れが程良く分散されるのでしょうか、
何処もわりとゆっくり周ることができてよかったです。
1日目は先ず奥の院に足を運ぶことにしました。

杉の木が鬱蒼と茂り、昼間でも薄暗い参道を進みます。両側には苔むした古いお墓がずらりと並んでいて、何ともいえない独特の空気に包まれていました。信仰心の無い者でも神妙な気持ちにさせられる場所であります。

こういう場所であまりシャッターを切らない方がいいのかなと思って、写真は殆ど撮っていませんが、面白い形の墓石がたくさんありました。特に、「公園墓地」と呼ばれるエリアには企業の供養塔ばかり並んでいるのですが、ロケットやコーヒーカップなどの形をしているものがあったりして、中々キッチュな様相を呈していました(笑)。
でもやはり見応えがあるのは一の橋から中の橋、そして奥の御廟にかけての古い墓石ばかりが並ぶエリアです。ここには有名な戦国大名たちのお墓がたくさんあり、厳粛な雰囲気に包まれています。
↑結城秀康(徳川家康の次男)の石廟。重要文化財であります。 ↑美しい紅葉も楽しむことができました。こういう場所だと本当に絵になりますね〜。
奥の院の一番奥にある灯籠堂と弘法大師御廟にお参りをしました。灯籠堂はその名の通り、天井からたくさんの灯籠が吊り下げられていて、薄暗い堂内を妖しく照らしておりました。
さすが大師信仰の中心聖地とあって、他の寺院ではあまりお目にかかれないような迫力に満ち溢れていました。あまり信仰心の無いワタシでも、ここでは自然と手を合わせてしまいました。何だかとてもありがたいような気持ちになりました。不思議なものであります。

→奥の院の納経所で御朱印をいただきました。

奥の院をじっくりゆっくり見学していたらあっという間に時間が
過ぎてしまったので、そろそろ宿坊へ向かうことにしました。
今回我々が泊まるのは福智院というお寺で、高野山の宿坊の中では
最大規模を誇るのだそうです。何でも天然温泉のお風呂が
楽しめるとのことで、宿坊というよりまるで温泉旅館のようですね(笑)。

でもこの福智院はかなり歴史の古いお寺らしく、パンフレットによると
800年ほど(!)の歴史があるそうです。敷地面積は何と5千坪、
故・重森三玲(京都・東福寺の庭園を造った人)による庭園も
見所のひとつとなっています。
←福智院の入口です。
重厚な佇まいにうっとり☆

↓(左)奥に見えるのが本堂、そして本堂の右手前の建物が、今回我々が泊まることになった部屋となっています。

↓(右)部屋の内部はこんな感じになっています。この宿坊の中では一番いいタイプの部屋だそうで、一部屋ずつ異なるしつらいになっているそうです。(ちなみに1人18,000円の部屋なり)
↑客室からは重森三玲のお庭が楽しめます。この庭園は本尊の愛染明王にちなんで「愛染庭」と名付けられているそうです。 ↑場所は変わりまして、こちらのお庭は「登仙庭」です。池には鯉が沢山泳いでいました。
↑内部にはアヤシイ骨董品が飾られていて、怖いような侘しいようなヘンな雰囲気を漂わせておりました(笑)。このセンス、別の意味でイイ感じです(笑)。 ↑美しい襖絵の広間です。こういうのを見ると、「ああ、歴史ある建物なんだなぁ」と思いますね〜。
←今回、楽しみにしていたもののひとつ、本格的な精進料理です。料理が全部出揃っていない時点で撮ってしまった写真なので少々お膳が淋しい感じがしますが(笑)、実際はもっとたくさんのお料理が出てきました。最後にはデザートまで付いていて、とっても贅沢な内容でした。
これが本当に肉・魚を一切使っていないだなんて信じられないくらい、見た目もとてもきれいだし、どれも味わい深いものばかりで感動しました。しかもヘルシーなので、あれだけ食べても胃もたれは一切ナシ! 精進料理ってスバラシイ!(^-^)

夕食の後は初めての写経に挑戦することにしました。
せっかく宿坊に泊まっているのだから、そのへんの旅館では
体験できないことをぜひともやってみたいと思ったからです。
慣れていないので肩がガチガチに凝りましたが、結構楽しめました。
単に字を書き写すだけなんですけど、それだけでは済まされない、
もっと奥の深い世界を垣間見ることができた気がします。

そしてもうひとつ、宿坊ならではの体験といえば朝のお勤めに参列することです。
朝6時から始まると聞いていたので翌日は5時半ごろ起床し、
しんしんと冷え込む廊下を本堂へと進みました。
本堂では既にお勤めが始まっており、蝋燭が灯された薄暗い中では
線香の香りがたちこめ、重々しい読経の声が響いていました。
それはまるでこの世のものとは思えないほど美しい光景で、
感動のあまり泣きそうになってしまいました(笑)。
改めて、人々が祈りを捧げる姿というのは美しいものだなぁと思いました。
後で本尊の愛染明王を間近で見る機会を得たのですが、
そんなに大きな像では無いのに迫力満点で、とってもカッコよかったです。

→朝のお勤めを終えていただく朝食はとっても美味しかったです。
この2日間で身も心もスッカリ浄化されたような気がしました。何だかクセになりそうなワタシです。
←記念にこの福智院で御朱印をいただきました。中央には本尊の「愛染明王」の文字が書かれています。


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